To Educational Institutions

本プロジェクトは、自治体や学校でじゅうぶんな日本語教育機会を提供することが難しい地域に暮らす、外国にルーツを持つ子どもたちや、
日本語を母語としない子どもたちのために、専門的日本語教育機会を提供することを目的として開発されました。

外国にルーツを持つ子どもたちの中には、日本の学校で過ごしているうちに日本語が自然と上達する子どももいますが、
一般的には、外国語の自然習得は10才くらいが年齢的な限界であり、それ以降は体系的な語学教育を必要とすると言われています。

この時期に、適切な日本語教育支援機会が得られない場合、
たとえ毎日通学していたとしても、1年たっても一言も話すことができない、というケースすら珍しくはありません。
日本語ができないままの子どもたちは学校生活に大きな苦痛を抱えることとなり、不登校状態に陥る場合も残念ながら少なくない現状です。

現在、日本国内の公立学校には、37,000人以上の日本語がわからない子どもが在籍しています。
一方で、自治体ベースでの支援には地域差が大きく、国の政策も十分浸透している状況ではありません。

このプロジェクトを実施するYSCグローバル・スクール(東京都・福生市/NPO法人青少年自立援助センター運営)は、
2010年度より、年間100名の外国にルーツを持つ子どもたちの日本語や学習支援機会を専門的に提供してきました。

これまでの経験とノウハウをもとに、充分な支援機会を得られない子どもたちや、こうした子どもたちと学校で向き合っている先生方、
地域の支援者の方々のために何かできないか、と数年間の試行錯誤を重ね、完成したのがこのNICO|にほんご×こどもプロジェクトです。

プロジェクトでは、最も指導が難しい来日直後の「日本語がまったくわからない」状況を、
約2ヶ月間(40回)、180時間の集中的な日本語教育で「学校生活に参加できる」程度の日本語の力を養います。

この日本語の初期指導において、体系的な日本語教育プログラムを受講していただくことで、
約2ヵ月後のプログラム終了時点より、日本語教育の知識や経験を持たない方でも「日本語で支援が可能」な状態までその力を高めることができます。
また、日本語がわからない子ども達にとって、来日直後の最も戸惑いの大きな時期に日本語の力を確立しておくことで、
先生方との日常的なコミュニケーションが可能となるだけでなく、友人関係が築きやすくなったり、
学校生活を前向きに参加する事ができるなどの効果が見込まれます。

プログラム受講中には、担当コーディネーターが担任の先生やご担当者様との情報共有を密に行い、生徒さんの日本語の力や特性などについてご報告いたします。
また、年間100名の日本語がわからない子ども達を支えてきた実践と知識から、
学校・支援機関内でのプログラム受講後のサポートに必要な情報提供(教材選定や、子どもの文化的背景についてなど)および、
外国人保護者とご担当者様とのコミュニケーションをサポートします。

プログラム受講にあたっては、個人向け内部奨学金制度もなど設けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

また、支援機関や行政単位でのプログラム実施連携も受け付けております。

自治体に日本語がわからない子どもが転入した時のみ利用するスポット連携の他、
国際交流機関やNPO等の皆様があらたな団体のサービスの一環としてご活用いただく法人連携など、ニーズに合わせて柔軟に対応いたします。